放流作業

ネットの海に放流するのでいつか戻ってきてほしい

慶應義塾大学旧小金井キャンパス探訪(2024)

かつて、小金井に慶應義塾のキャンパスが存在したことをご存知でしょうか。慶應義塾小金井キャンパスは、工学部(現理工学部)のキャンパスとして1948年から1972年までの約25年間、工学部が矢上に移転するまで利用されていました。

www.keio.ac.jp

keio-kougakubu-27ki.cocolog-nifty.com

小金井キャンパスまでの道

元々工学部は藤原工業大学を前身とし、戦時中の1944年に慶應義塾に寄付されて工学部となりました。当時は日吉キャンパスの北部(現在の第4校舎、第6校舎の辺り)に校舎を構えており、矢上台の土地についても既に慶應が所有していました。発足時点で既に矢上への移転が計画されていたものと思われます。 しかし日吉キャンパスは空襲によりほとんどの校舎が焼け落ち、残った校舎についても戦後米軍に接収されてしまったため、工学部は移転先を探すことが喫緊の課題となりました。このときに矢上への移転が実現しなかったのは財政の問題で、キャンパスを1から整備する余力が存在しなかったためと考えられます。 かくして工学部は目黒・溝ノ口など拠点を転々としたのち、1948年に小金井にあった横河電機の工場に移転しました。これが小金井キャンパスです。

現在

その後矢上台が整備され、1972年に工学部は現在の矢上キャンパスに移転しました。しばらくは小金井キャンパスもグラウンドとして利用されていたようですが、現在はすべて手放され、マンションや住宅街となっています。

とりあえず旧本部の外周を歩いてみました。

北部は大きなマンションになっています。

最北部はイチョウ公園という公園になっています。レンガ造りの謎の壁があったのでキャンパス時代のものかなとも思ったのですが、昔の航空写真を見てもこの位置は建物が建っており、更地になった時点でもそれらしきものは写っていなかったため謎です。

1961年の航空写真

1974年(移転後)の航空写真

現在(2024年)の航空写真。公園内にレンガの壁が見える

公園を越えて北東部を歩くと、住宅街になっています。画像右側が元々のキャンパスの土地です。

東側は多磨霊園に面しています。右手側の墓地もキャンパスの土地だったと書かれていましたが、キャンパスが使われていた頃から墓地だったようなのでよくわかりません。

南側は住宅街となっています。住宅街の中の小さな公園に立派な桜の木がいくつか生えていました。公園は旧キャンパスのグラウンド南端に位置しています。結構大きいのでこれらの木はキャンパス時代から生えていたのかもしれません。

ということで歩いて旧キャンパスを一周したのですが、流石に移転から50年以上も経っているため痕跡はほとんどありませんでした。特に記念碑とかもありません。

飛び地で存在していた旧管理工学科の土地には東京工学院専門学校があります。

利用した航空写真

ダミーLiDARを捕まえよう!

キャンパスには野生のLiDARが生息しているらしい――

気軽に使えるLiDARがほしい

最近、LiDARのパケットを解析して色々するプログラムを組むことが多々あります。そのようなプログラムをデバッグしようとすると、実機のLiDARをPCに接続する必要が出てきます。LiDARを持ち運ぶのは面倒ですし、そもそも高価なものを運搬したくありません。

安くて同じ機能のLiDARがないかなぁ、と考えていたところ、キャンパスに野生のLiDARが出るとの噂。

じゃあ捕まえよう!

12/19 15:30

野生なので多分外にいると思います。

いました。

ちょっと大きい気もしますがこれはVLP-16ですね。電源とイーサネットケーブルが生えているので持ち帰ってPCに繋いでみましょう。

なんか廊下を人が歩いていますね。

...

...

...

...

ダミーLiDARを作ろう

ということでダミーLiDARの構成を紹介します。

中にはRaspberry Pi(3B)が入っているだけです。

事前にLiDARのパケットファイルを録画しておき、それを下のプログラムで外部に送信しています。

github.com

ラズパイとPCをイーサネットで接続すると、LiDARが流すのと同じパケットをPCに向かって送るため、PC側から見るとラズパイは完全にLiDARとして見えるというわけです。

本当はDockerとかでエミュレーターを作りたかったのですが、UDPを仮想ネットワークインターフェス経由でホストに送信することが難しそうでした。なので物理層から模倣しました。 原理的にはどの種類のダミーLiDARも作れるはずなので、色々作ってみようと思います。

後記

本物との比較。全然大きさが違う。多分Alpha Prime(128line)の方が近い

外で動かそうとしたら拒否られてしまった

これは LiDAR Advent Calendar 2023 20日目の記事でした。

FelicaとICカードの共存を目指して

おサイフケータイ、便利ですよね。 私はモバイルSuicaQUICPayを常用しています。財布を忘れても動じずに生活できる、素晴らしいことだと思います。

しかしながら先日、ある問題が発生しました。

ICカードスマホを一緒に持てない

今年度より私の所属する研究室の鍵が学生証をタッチする形式になったのです。最初は「パスコード要らず!」と喜んでいたのですが、少しして気づきました。学生証を忘れると詰むということに。 そのため今まで学生証は財布に忍ばせていたところ、絶対に忘れないようスマホに格納することを決心しました。

前提条件

この記事の前提条件は以下になります。

スマホにカードを入れる方法

スマホにカードを格納する方法は主に2つ存在します。

1. 手帳型ケース

これは入れすぎ(generated by Bing)

手帳型ケースでは、スマホの画面側となるカバーにカードを収納するポケットがついていることが多いです。しかし実際に利用してみると3つほど課題が見つかりました。

https://amzn.asia/d/8SfsoHk

カバーを後ろに回すとNFCが反応してしまう

片手でスマホを持つため、画面側のカバーを背面に回すとがっつりNFCが反応します。Pixel特有かもしれませんがICカードを背面にキープするとNFC機能が落ちます。これでは日常使いには耐えません。

カードを背面に置くとNFCが反応してバイブが鳴るのですが、それをずっと繰り返すとそのうち鳴らなくなります。このときスマホ側のNFCは機能不全に陥っているため、改札もレジも全力で引っかかることができます(数回やらかした)。

手帳型ケース、左手で持つように設計されてない

この手のケースは基本左開きなので左利きには非常に持ちづらい。NFCが反応しないようカバーを開いて使うことも許されないのだ。

そもそも手帳型ケースが好きじゃなかった

重いし厚いし手間だし...

ということで手帳型ケースは却下です。

2. 背面にカードを収納できるケース

背面にポケットがついている(generated by Bing)

スマホの背面にポケットをつけられるケースが売られています。これであればカバーを開くこともなく、おサイフケータイと同じ要領でタッチすることも可能です。

同じ要領で...?

そう、これの問題点は機種によってはスマホNFCと完全に被ってしまう、ということです。iPhoneなどはNFCが上端についているため干渉しないのですが、私の使っているPixel 6aは完全に被ります。

https://support.google.com/pixelphone/answer/7157629#zippy=%2Cgoogle-pixel-a

ケースにそのままICカードを入れたが最後。どっちも使えなくなります。

Pixel 6aとICカードを一緒に持ち運ぶのは無理なのでしょうか...

イデア: スマホICカードが通信できなくすればよい

現在の問題点は、ICカードスマホが密着することで常時通信が発生し、結果利用不能になってしまうということでした。つまり密着しないまたは通信が発生しないようにすればよいわけです。

NFCの通信を遮断する & カードとスマホの間に入る薄さ → アルミホイルだ!

ということでアルミホイルを仕込んでみたいと思います。

アルミホイルをケースに仕込む

ケースはこちらを利用しました。

amzn.asia

Pixel 6aのNFCの位置はこんな感じです。ここで注目してほしいのは、赤点線の部分です。この部分であれば結構Felicaが反応してくれます。 アルミホイルをICカードスマホの間に仕込んでも、スマホNFCが完全に覆われたら意味がありません。しかしこの赤点線の一部を開けておけばFelicaは利用できるというわけです。

ケースとスマホの間にアルミホイルを仕込みます。ここで左寄せにしているのは、赤点線の右側を空けてFelicaの反応場所を確保することと、ICカードの出し入れでNFCが反応しないようにするためです。

ケースを付けたとき、アルミホイルの位置は以下のようになります。ICカード側は案外中心しか反応してくれないので、ICカードの中心とアルミホイルがオーバーラップしていれば問題ありません。

カードを入れるとこんな感じです。Felicaも動きます。これでスマホICカードを一緒に持ち運びたいという夢が叶いました!

P.S. Felica感度の改善

上の状態でしばらく運用したのですが、如何せんFelicaの反応が悪い。改札を通るのに50%の確率で1~2秒待たされます。恐らく原因はFelica反応場所が小さいということです。

少し考えて、カードがスマホの中心に存在する必要はないのでは?という部分に至りました。

メモ帳を5mm幅程度に折りたたみ、ポケットの底に装着。左側にFelicaの通るスペースを用意しました。

この改善によって改札をスムーズに通過できるようになりました。

WitMotionのIMUを腕に付けようぜ!

WT901BLECLを腕に固定したい。

つけたいです。

幸いこのIMUには何かを通す穴がついているので、これを活用しようと思います。

WT901BLECL

必要なもの

  • WT901BLECL
  • どこにでもあるマジックテープ
  • カッター
  • はさみ

amzn.asia

製作

  1. マジックテープを腕の幅に合わせて適当に切り出します

  1. マジックテープの片側を写真のように切ります

細くした部分はIMUの穴に通したいので幅を合わせて

  1. 穴に通します

  1. 完成

非の打ち所がない

コツはチクチクする方を肌に当たらないような向きにすること

難点は加工時にファスナーのクズがボロボロ出てくること

Myレポート製造環境2021

これはKCS AdventCalendar2021の17日目の記事です。

16日目|18日目

今期、私が大学のレポート用に使っている環境を紹介しようと思います(まだ1本しか書いてないですが)。

コア部分

190ikp/basic-experiment-report-b2をFolkしたorganic-nailer/eee-report-b3を使っています。

github.com

使っているのは

です。本家との違いは、電○情○工学実験用に一部変更を加えているということ、環境構築にコンテナを利用しているということの2点です。

VSCode

code.visualstudio.com

軽くて便利なエディタ。上のリポジトリVSCode用に構築しています。

Pandoc

pandoc-doc-ja.readthedocs.io

Haskell製の文書変換ライブラリです。MarkdownからTex形式を経由してPDFに出力させるために使っています。

Markdown

www.markdown.jp

元々HTMLに出力するための簡易な文章記法です。ブログやGitHubのドキュメントなどで書いたりするかと思いますが、Pandocと組み合わせることでレポート製造言語に進化します。

 

 

f:id:Nageler:20211217141418p:plain

製造ラインの図

使い方の詳しくはリポジトリを見てほしいのですが、だいたい上の図のような形でレポートが生成できます。

環境の利点としては

  • 数式をTeX形式で書ける
    • 数式エディタ?なんですかそれ
  • データはテキスト形式になるので管理が楽
    • バイナリは壊れる
  • Imageが用意されているので環境構築が楽
    • 日本語LaTeXやPandocの環境構築は骨が折れる
  • 図表番号を自動で振ってくれる
  • 体裁が自動的に良くなるので評価が上がる
    • これ重要(特に1,2年は体裁のウェイトが非常に大きいので効果的)
  • 記述がMarkdownでできるのでTeXほどつらくない

といったところです。

便利なのでみんな使ってほしいなぁ...

実験科目ごとに表紙が指定されていると思いますが、これはTeXで自作する必要があります。

 

参考:

qiita.com

VSCode拡張

eee-report-b3に合わせて使っている拡張たちです。

Remote-Containers

marketplace.visualstudio.com

コンテナ内にVSCodeで接続できるだけでなく、`.devcontainer/devcontainer.json`を記述するとプロジェクトを開いただけでコンテナを用意してくれます。

Character Count

marketplace.visualstudio.com

特に意味はないですがレポートの文字数をカウントして左下に表示してくれます。

Paste Image from local pc

marketplace.visualstudio.com

クリップボードの画像をmarkdown内に貼り付けることができます(画像はカレントディレクトリに保存)。

グラフなどをマウス操作でコピペできるので圧倒的に作業効率upが望めます。

これはPaste ImageのFolkなんですが元だとコンテナ内でコピペできないんですよね...

Markdown+Math

marketplace.visualstudio.com

ワークアラウンド的ですが数式のタグ付けに伴うプレビューの崩れを解決してくれます。

 

その他

レポート作成に使っているものたち

Google Drive

複数のPCからレポートを書いているのでPC間はGoogle Driveで同期しています。

版管理もしてくれているので万が一やらかしても安心。

Desmos

www.desmos.com

グラフを書くアプリ。形状を確認したり数式を書いたり方程式を解いたり簡易にできて便利です。

desmos2excel

desmos2excel.fastriver.dev

上のDesmosで書いた数式をExcelで使える形式に変換するやつです。ボード線図の理論値をExcelでプロットしたいときなどに活躍しました。

Excel

グラフ書くのに使ってます。グラフのテーマを保存しておけばある程度体裁も困らないものができます。

iPad+OneNote

レポートに挿入する図やグラフにお絵かきするのに使っています。OneNoteはPCとほぼリアルタイムで同期できるのでiPadで書く->OneNoteで同期->スクリーンショットクリップボード->mdに貼り付けという完璧な流れを実現できます。

KoClip

www.vector.co.jp

クリップボードに画像が入ってきたら自動で保存しておいてくれます。Matlabで大量に画像を保存しないといけないときなどに活躍。

Nuance Power PDF

レポートの末尾に添付資料をつけたいときなどにこれで合体させてました。スキャナを買ったらついてきたなにかです。Win11非対応そうでつらい

 

使っていないもの

  • Word: つらいから
  • Google Sheet: グラフの体裁が弱い
  • Google Docs: Wordより弱い
  • Markdown All in One: 機能が多すぎる
  • LaTeX: 書けません
  • Git: レポートだと必要ないかな

 

レポート環境は暇なときに整えようね!